連帯保証人も、緊急連絡先も頼める人がいない。そこで止まってしまう人が、いちばん多いかもしれません。2025年10月に、その行き止まりを想定した制度ができました。
保証会社の審査で、いちばん多い行き止まり
保証会社を使えば連帯保証人はいらない、と説明されることがあります。半分は本当ですが、半分は違います。
多くの保証会社は、連帯保証人の代わりに緊急連絡先を求めます。家賃を代わりに払う義務のない、連絡がつく人です。そして多くの場合、それは親族に限るとされています。
親と縁が切れている。きょうだいがいない。頼れる親戚が思い当たらない。この時点で止まってしまう人が、実際にたくさんいます。
2025年10月にできた制度
改正住宅セーフティネット法が2025年10月1日に施行され、認定家賃債務保証業者という制度ができました。国土交通大臣が、住宅の確保に配慮が必要な人にとって使いやすい保証会社を認定するものです。
認定の要件に、次の2つが入っています。
- 緊急連絡先を親族などの個人に限定しない(法人でも可とすること)
- 保証人の設定を条件としないこと
さらに、居住サポート住宅に入居する要配慮者の保証を、正当な理由なく断らないことも求められます。
これは「制度上の約束」です
不動産会社の担当者の判断や、その日の運ではありません。国が認定の条件として定めているものです。断られた場合は、認定業者であることを前提に、もう一度確認する余地があります。
認定されているのは全国で12社だけです
認定事業者数は12者(令和8年7月31日時点)。登録家賃債務保証業者が123者いることを考えると、かなり絞られています。
編集部が調べた範囲では、次の会社が認定を受けています。
- 一般財団法人高齢者住宅財団
- エルズサポート株式会社
- 一般財団法人東京公社住宅サービス
- ジェイリース株式会社
- 株式会社USEN TRUST
- ナップ賃貸保証株式会社
- 株式会社いえらぶパートナーズ
- アーク株式会社
- あんしん保証株式会社
- レントエール株式会社
- スリーエー株式会社
最新の一覧は国土交通省のページで確認できます。
実際にどう使うか
保証会社は物件の管理会社が指定するので、「認定業者がいい」と言って自由に選べるわけではありません。それでも、次の順で聞いてみてください。
- 不動産会社に「この物件の保証会社は、認定家賃債務保証業者ですか」と聞く
- 認定業者なら「緊急連絡先を法人でお願いできますか」と聞く
- 認定業者でないなら「認定業者が入る物件はありますか」と聞く
緊急連絡先を引き受けてくれる法人
居住支援法人が候補になります。都道府県が指定した団体で、物件探しの同行から入居後の見守りまで支援します。「(お住まいの都道府県名) 居住支援法人」で検索すると一覧が見つかります。
保証会社に申し込む前に、まずここへ相談してください。緊急連絡先の問題は、相談先を先に確保してから動くほうが早く片づきます。
居住サポート住宅という選択肢
同じ改正でできたのが居住サポート住宅(法律上は「居住安定援助賃貸住宅」)です。大家さんと支援団体が連携して、次の支援がつく賃貸住宅を国が認定します。
- 1日1回以上、ICTなどによる安否確認
- 月1回以上、訪問などによる見守り
- 必要に応じた福祉サービスへのつなぎ
「万一のとき誰が対応するのか」という、貸す側がいちばん心配している点に、制度として答えが用意された住宅です。認定業者は、この住宅に入る要配慮者の保証を正当な理由なく断れません。
掲載内容は、公表されている情報のうち編集部が確認できた範囲にもとづきます。保証料・審査基準・対応可否は、物件や管理会社との契約内容によって変わり、各社の公式な発表がないものも多くあります。
申し込みの前に、必ず不動産会社と保証会社の書面で確認してください。この記事は審査の結果を保証するものではありません。
また、申込書に事実と異なる内容を書くことは勧めません。虚偽の申告は契約解除の理由になり、結果として住まいを失うことにつながります。
自分の属性だと、どこから当たればいいのか
8つの質問に答えると、あなたの属性で優先すべき保証会社の系統、使える公的制度、 そろえておく書類を整理して表示します。入力内容が送信されることはありません。